小倉明彦『お皿の上の生物学』

お皿の上の生物学

お皿の上の生物学

料理をネタに、生物、化学、物理といった分野の学問にまつわるテーマをあれこれと語る。どうも、料理をしながら話している風もある。大阪大学の、五月病の学生向けの講義なのらしい。生物も化学も高校のころやったきりだけれど、興味を喚び起こされるわけだ。

とにかく色んな話があるんで、覚えてるやつだけ書こう。

  • 原色のように原味はあるか? ある。原の感覚とはそれだけを感じる感覚器がある ということだ。味にもあってナントカというのだが忘れた。
  • あんかけが熱いのは対流が抑えられるから! てっきり比熱が上がるのだと思っていた……(何かの方法で確かめるべき)。中学生による研究がある
  • 鳥や豚の油が冷めると固まるのは、彼らの体温で潤滑油として働くようになっているから。魚は体温低いのでこういうことにはならない。たしかに。
  • ドミトリー効果。という名前では出てこなくて、修道尼症候群という呼び名だった。生活をともにする女性たちの月経周期が道機する現象らしい。脇から出るフェロモンがそれを起こしているとのこと。とかくロマンのある話。

朝日新聞学芸部『ティーンズメール』

ティーンズメール―Subject:わたしの気持ち・Re:生き方に迷う10代のあなたへ

ティーンズメール―Subject:わたしの気持ち・Re:生き方に迷う10代のあなたへ

年始の一冊目はこれ。去年から読んでたけど。

10代から送られてくるさまざまな悩みや考えをはらんだメールに、回答者陣が答える、という新聞のコーナーからのセレクション。飯野賢治のコメントが好きだった覚えがある。ゲームをプレイしたことはないが……。小さいコーナーなので往も返も短くなってしまっていて、深い深い話にはどうしてもならないのが惜しいが、長いとかえってだれるだけだろう。。この短い回答たちで若者の気持ちがただちに解消したとは思わないが、考えを文章にし、それに大人が返事をする……という体験は重要だったろう。

今見ると飯野賢治の回答もいいが、わざとトボけたふりをしているなと最初鼻についたTETSUYA(ドリアン助川)もなかなかいい回答をしている。ピーコは親を批判しがち。いずれにせよ、答えのなさそうな話にきちんと(?)返事をつけているのはえらい。おれも昔は高校生だったはずなのだが。

昨日の夢。クーデターが起こり、追い詰められて残るはおれと側近ふたりのみ(おれは追い落とされる側)。照明の落ちた大きな部屋の奥に隠れている。部屋のほとんどはプールになっていて、大きな船が何艘も浮かんで視界をさえぎっているので、隠れられているのだ。側近にもうこれ以上は無理だから、お前たちは投降してきなさい、と言うと、若いほうが顔を明るくしてろくに返事もせず行ってしまった。年長のほうも若者の正直な様子に取りつくろう必要もないと思ったのか、別れの言葉もそこそこに去っていった。一人になって気づけばプールの水は抜かれていて、逆転のチャンスもない(それまではあったらしい)。思えばこの地位にしがみつく必要もないと考えなおして、おれも投降しようと決めた。ただ素直に生かしてもらえるのかは分からないのだが。というところで目が覚めた。