無垢な子供時代がその無垢な暴力によって終わりを告げてしまうというような話に、好ましさを感じるのは何なんだろうか。子供時代が終わってしまったことを肯定し、その原因にも罪はないと思い込みたいのか。単に俺が歳を取って世間を知ってつまらない人間に…

何かの昇段試験であっという間に足切りを食らい他のみんなが順調に歩を進める中俺一人することもなくなってただ泣いているだけというような経験はすでにあるような気がする。落伍は今に始まったことじゃないよねえ。

皮相的にしろ骨肉的にしろ、おれは自分を切り売りしなくては現実感を得られないみたいだ。