馬に発泡酒

卒論の発表に欠かせない馬がいまいちよい結果を出さないので、飼料に酒を混ぜてみることにした。すぐそばに俺の飲みかけの500ml缶があり、持ち上げてみると一口しか飲んでいないと分かるほど重かったので、全部えさバケツに注いでやった。馬はバケツに鼻を突っ込んだが、すぐにえさを食べようとしなくなった。おれは妙な笑いを浮かべて「ビールじゃなくて発泡酒なのがいけないんでしょうかね」と先生に目をやった。
本番当日、モノレールで会場に向かう中、この馬を連れてきていないことに気付いたが、おれは気付かなかったふりをした。