社長が10年前に小鳥さんのプロデューサーをやっていたことは今さら説明するようなことでもないけれど。知らない人もいるだろうので書いておく。ここからは俺の想像。この世界のご多分に漏れず、二人は恋人でした。それがある日、社長(もちろん当時はいちプロデューサー)は死んでしまう。その時小鳥さんはアイドルであることを捨てることと引き換えに、社長の命を救うことを選んだ。死人が生き返るなどという、超自然のことともなれば、社長は影だけの存在となり、音無小鳥というアイドルの存在は全て消え去ったのでした。それからアイドルは事務員に、プロデューサーは社長になりました。