海賊の隠れ家のようなところにいると、後にその持ち主である海賊たちがやってきた。そして俺たちと飯を食おうというのである。俺にはこの家にも賊にも見覚えがあった。何年か前、同じ場所で、彼らは俺たちを殺そうとしたのである。その時は年長者がこれを撃退し、果たされなかったのだが、今は俺が最年長であるので俺がそれをしなければならない。当時を知るのは俺一人である。幸い、相手はまだ気付いていないようだった。食事が振る舞われる。胡麻団子の中にカニの身を詰めたものを割ってみると、真っ青に染まった中身は、銅が混じっているとしか思えず、弟に「これは食うな」と忠告するも、聞かず、俺ひとり残した青い団子は不格好であった。さて、暫くすると手品師がやってきた。彼も以前の場にいた者であったので、いよいよ近づいてきた、と身構えた。