コンビニでサラダを買った晩

サラダを見て空っぽの部屋を思い出した。セミの声の漏れてくる窓を閉めきって、冷房を効かせた部屋でひとりサラダを食ってた。早朝に彼女を見送って、昼ごろ目を覚ましたらゴミを片付け掃除機をかけ、洗濯物を干した。きれい好きだったはずの彼女の部屋が散らかっているのが悲しかった。ひと仕事終えると、テレビもラジオもない部屋では未読の消化か本を読むかしかすることがなかった。彼女が帰ってくる時間が近づくと、スーパーで食材を買い、その日の夕食を作った。疲れきった彼女が帰ってきて、ふたりの食事を取った。そのままの服で寝ようとする彼女をなんとかして風呂に入れ、その不安をなだめながら寝かしつけた。次の日も同じ一日になるはずで、そうなった。その頃は俺も酒を飲まなかった。そして…まだ言ってるよこの人は。