広く知られていることだが俺の部屋というのは歴史が二次元的に傾斜しており、つまり俺が何か(コンドーム)を探すためにどちらの方向に動こうとも必ず過去に歴史を辿ることになる(人間は常に堆積した歴史の頂上にいる)。足下に踏み締めながらそれを遡ると、たった数ヶ月前には俺は俺のことを信用していたのだという気持ちにさせる断層が顔を覗かせている。