アルジュノの災禍

ある惑星(たぶんこれがアルジュノなのだろう)の赤い海を救うために派遣された宇宙船の一員(とはいっても3人しかいなかった)として、ある離れ業をもってその海の全てを地球の衛星軌道上に移動することによってとりあえずの危機を逃れた俺は、そのことに慢心していたため、その次の計画を誰にも話すことはせずにこっそりと実行して驚かせようと、こっそりと実行したその計画は軌道上にあるその海を地球に降らせるということ、残りの二人にそれを実行したことを伝えていると二人の顔がみるみる狼狽した表情になり、その様子を見るだけで俺は自分が何をしでかしてしまったのかを悟るあいだにも地球に赤い雨が降る。降る異惑星の海は地球の海と反応し、みるみる結晶化して、あっという間に海であった部分は水分を失い真っ白な不毛地帯となった。こうなってしまってはもう地球は終わりだということは明白であって、取り返しのつかないことをしてしまったショックに自分を止めなかったほかの二人を責めようとするにも自分が内緒にしていたことなので全く自分の責任だった。「なんとかして下さいよ、この『アルジュノの災禍』を!」と責められるが俺は「どうせ人類はここで終わるのに名前なんぞつけてどうするんだ」と思い、ひとりは自分の咎でもないのに「ごめんなさい、ごめんなさい」と地球の人々にただひたすら謝るばかりだった。自分のしでかしたあまりに大それた罪にふと気付いて目を開くと、やはりそれは夢で、俺は「やったぜ」と呟いて起きた。