犬の死骸

夏の庭の袋の中の犬の死骸をめぐる三匹の生きた猫と一匹の死んだ猫の証言、猫たちと犬との思い出の話まではよかったのだけどその死骸が回収されないことを怪しく思うと途端に悪夢となった。この季節だからねえ、かわいそうだけどと繰り返し呟きながら残飯をゴミ袋に詰める飼い主の手許には見たこともない種類の蠅がまとわりついている。