金曜日の夜になると彼女の部屋に連行されて、休日は一緒に料理を作ったりテレビを見てみたり、家庭的な時間を過ごすようになっている。一人でいる時はテレビを流すということがなくてこういう時にしか見ないのだけど、やっぱりテレビはいい。人前に出て喋ることで金を貰っている人たち同士で喋っているのを見ると妙に安心する。多分昔からそういうものを見て育ってきたからで、インターネットばかりの現在にあっても身に染みついているようだ。知らない歌謡曲が流れるのを、一番を聞いてふしを覚えた彼女が二番にあわせて鼻歌を歌っている。CMを見ればこの番組が中年とそれ以上の世代に向けられているものだと知れて、この歌を懐かしく思い出している人もいるんだろうなと思う。二人とも起きているときは必ず俺が彼女の話を聞く。俺は日記をつけているから人に話を聞いてもらう必要がないためだ。で、彼女を寝かしつけてからが俺の時間。深酒し、本を読む、アニメを見る、などなど、あらゆる文化的活動がこの夜に集約される。俺の日記。