メダル

30分はやく設定しておいた目覚ましとともに、今朝は文句なしに憂鬱な目覚めだった。ぎりぎりこの憂鬱さを保つ程度に基準を引こう。と思った。
親戚の子どもたちが、滝つぼに頭から突っ込むと当分浮き上がってこれないんだ、と話していたので、そんな危険なことはやめなさいと、声をかけようと思いながら聞いていたけれど、そのうちに、彼らが魚になったときの話をしているようで、それなら危険もあるまいと思ってとどまった。俺は小遣いを増やそうと思って、500円玉より価値の低い硬貨をぜんぶ、床にぶちまけた。小銭はその親戚の子らが拾うがままにした。それを見ながら500円玉の価値を講義した。曰く、500円玉には希少価値がないから価値があった。万人が手にすることができるということだった。そして、このシステムがオープンソースプロジェクトとして世にあった。名前を “Apache Rare” といった。