しかし俺は何にも邪魔されずに――目を逸らす――酒を飲むぞ、ここで酔うぞ。麦酒なんて飲んでるから神様は助けにきてくれないのか、それともこの部屋には角が多すぎるのか。ここから数えてもたぶん十六はあるからあちこちに俺のアンテナが散らばっていて用をなしていない。そびえ立つ缶ビールのビルディングも一種の神避けのようなものだ。さ、どうしようもなくなって幾何学、端と端をつぶしながら二の倍数を数える。