それは関係ないんだけど、文章を書きためてると、漬ければ漬けるほど、どんどん出す気がなくなる。微修正をくり返すうちに最初の勢いがまったくなくなって、あれ、これは何が面白かったんだ?という疑念が生じ、しだいにやる気がなくなって、最後にはお蔵入りになる。それで気分を一新して新しいものに取りかかることが出来ればまあそれでもいいのだけど、心のなかにその失敗作たちが暗くきざしていて、つまり情熱の燃えカスのようなものが、たしかにあったはずのものが、今では誰のものにもならず存在していることが気になって、どうも気分が乗らないということがある。これは確かに文章だけに通じることではなくて、心でも技術でも、内にあるものを外に曝すようなことをするときには常につきまとっている。と、分野を横断して、こういうことがあるなあと思うのは、まあおれも多くはないけれど、それなりに何かしら手につけようとか研鑽しようとかしてきたわけで、そのどれにもあるパターンってのが、例えば「やるならすぐやれ、やったら寝ろ」というふうにセオリーとしてときどき腑に落ちることがある。これを学習とよぶのだ。で、これを苦労するにしろしないにしろちゃんと通せる人が、おれがすごいと思う人たちだったりするんだろうなあ。おれだって分かっちゃいるはずなんだけど出来ないんだよね。あんただってそうだろう。