休日

めしを食うため商店街をフラフラしていたら、視界に違和感があり、盲点が広がったという感じで、すれ違う人がよく見えない。時間がたつにつれて、これは久々に来たかもわからんと思うような、はっきりとした感じになる。おれはこの兆候を感じる時の違和感が一番いやだ。一過性半盲というらしいが、感じの悪い症状だ。家に帰って、頭痛薬がないので薬屋にいったのだけど、そのさい右手から自転車に乗った女の人がやってきて、右によけるか左によけたものか、おたおた迷っていたのが悪かったらしく、その時は左によけて衝突は避けられたのだけど、すれ違いざま罵詈雑言のようなもの(聞きとれなかった)を投げかけられてとまどった。頭がボーっとしていたのが幸いしてその時は怖くなかった。それでも薬を買って家に戻るときは、家の前で待ち伏せされていないか気にしながらすすんだ。ほんとうにキチガイの人に家を知られてしまっていたとしたら、と思うとやっぱりおそろしい。帰宅後薬を飲んで横になっていると、頭痛がやってきて、ああやっぱそうだったかと思い、あとは寝るだけだった。何度か吐きに立ったけど、おれも吐くの慣れたよなあと考えると、頭痛がして吐き気がするって、それただの二日酔いじゃね?と思っておかしかった。午前中はエルシャダイ動画みて大笑いしてたんだから二日酔いとは違うって分かってるけど。黴が薄い膜になっていた洗面器を、きれいに洗って枕元に置けば病人のポーズ。さっきの女が強い男の人を連れてうちのアパートをしらみ潰しに回ってこないだろうかと新たな恐怖を覚えながらも、嘔吐も頭痛も慣れているから辛くないのか、いつの間にか眠っていて、起きたときには痛みはおおかた引いていた。片頭痛は緊張がとけた時や休日に起こりやすいらしい。さもありなん。