タイルにうんこ

ドラマにでもでてきそうな広いマンションの部屋の壁の一面は大きなガラスになっていて、明かりのない部屋を町が薄暗く照らしている。壁に近づけば夜景が見下ろせるだろう。ラジオでは北野武の番組が流れていて、通りがかった、おれの知っている女がゲストとして登場している。会話は弾んでいない。窓の反対方向に歩くと、トイレの前に一メートル四方の大きさの、セラミックのタイルがある。ここでうんこをした。去年の分のうんこも乾いて残っていた。うんこを終えると黒猫からメールが届いていた。「別に病院で(パーティーを)したい訳ではないわ」と、健気なツンデレの体であった。