このあいだ真とすれ違い、不意に顔が近づいて、かすかに化粧の匂いがした時にああ、彼女が化粧をするのか、そりゃあするよな、女の子はアイドルだものな……としみじみ思いながら振り返ると、真が知らない男=プロデューサーと連れ立って歩きながら話をしているところで、それを無言で眺めていた。そういうことを思い出しながら酒を飲んでいるのが、俺は好きなのです。