朝がた頭の中にずっと繰り返していた曲に思いを馳せると、悲しくないのに涙が出ちゃう、ふむ、ズキズキ恋わずらい、たぶん……。巫女みこナースだこれ。このメロディにおれの胸がうずくのは遠い昔のことを思い出すからだ。誰の手によるものかも分からない縁故の音声ファイルをぎっしり、鞄に入れて持ち歩く、遠い遠い過去の日。さあ電柱に隠れて! 一緒に歌おう。