休日

この土日は信じられないくらい動いたな! おれは宣言どおりプラネタリウムへ。公立の、科学館といった類の施設にあたりをつけ、昼ごろに起きて行ってみた。おれ以外の客は小学生くらいの子供たちがあちこちに、それと親ばかりで、建物のほうはこれがなかなか、展示パネルの書体とかガラスのくすみ具合とかに否応なく年月を感じさせる古さで、訪れた当初はげんなりしていたのだけど、フーコーの振り子をはじめおなじみの展示を見ていると、昔もおれはこういう所で駆け回っていた(かもしれない)と思えて、それなりに楽しんだ。原理も分からない、記憶もすぐに飛ぶガキにこんなもの見せてどうするんだと最初思っていたけど、そうやって子供の頃を思い出すにつれ、原体験というのは何よりも大事だし、からくりを知ってる者が簡単に断じるのは浅はかなことだったと反省した(すみません)。
プラネタリウムの方は入学前か小学生のころに来て以来だったからかなり久しぶりで、その当時の記憶では録画された番組を上天に流すだけというものだったけど、ここでは時間いっぱい、展示員がマイクを使って星ぼしの解説をするのだった。客のほとんどは子供だったから、暗やみのなか、解説に応じて時おりあがる声もある。プラネタリウムは中央が真上ということになっているので、真ん中のほうの席に座るのがいいらしい。おれはかなり遠慮して一番はじの席に座ったので、おれのいた所からは東西南北がひしゃげて見えた。投影が終わると拍手があって、寝ていた大人が起きだして、おれは春の大三角形を学んで帰った。スピカ、アルクトゥルス、デネボラ。ただここのところの空は曇りつづきで、誰に披露する機会もなくおれ自身忘れていきそうだ。