『コクリコ坂から』

外に出る気も起きないし今日は部屋に籠もってゲームでもするかと気怠く思っていたんだけど、友人が映画を観ると言うのでそれでは俺も行こうということになった。彼とは住むところが離れているので上映時間だけ合わせて別々に観に行った。
予約していったのでブロック最前列の広々とした席が取れて、シアターに入るとカップルだか女性の友達同士だかが並んでいる真ん中に空席がありそこに座った。この季節の映画館は少し肌寒くて、両肘を抱きながら上着を持ってくればよかったなと思うことを繰り返していて、今回もそうだった。音がじゃんじゃんと鳴っているときはいいのだけど、静かになるとすぐ体が冷えているように感じて気になってしまう。幸いこの映画はわりと賑やかだったのだけど、観ている間しだいに涙ぐんだり泣いたりするうちに逆に体が熱くなってきたので、人体ってスゲー!と思った。
海ちゃんはいつもの通りしっかりとした女の子なのでとても可愛いくて、ヒロイン然としていた。彼女と彼が物語の中心なのはその資質だけのおかげではなくて、周囲のあらゆる人間がふたりの後押しをしている。学校の生徒たちは一丸となって二人のために脇役をこなして働き、歌って、ともかく陽気な背景となっているので、それだけふたりの気持ちを真剣にしている。それから母親とのシーンの海ちゃんがすごく良くて、俺はダメだったなあ。今思い出しても何もわからんけど。
映画館を出てどこかでご飯でも食べるつもりだったけどいい気分だったのですぐに家に帰ることにして、とちゅう酒屋に寄ってウイスキーとワインを買った。最近ビールばかりでよくないと思っていたので、コンビニでない所で酒を買うにはいい機会だった。帰ってからコルク抜きなんか持ってないことに気づいて台所をあさるとカンキリなんかと合体してるよく分からない道具があったので、そいつを使ってワインを開けることにし、勝手が分からなくてなかなか栓を抜けず格闘しているうちに汗はかくしコルクの欠片が散らばるしで大変だったのだけど結局コルクを三分割して開栓に成功した。なんだよこの酒もういいよ。ワインはゆっくり飲まないとすぐ酔うな。