いったい俺は自分の感情に信頼がおけてなくて、何かを思うにつけ、その気持ちもいつか消えはてるのだと水を差すものが心のどこかにある。真のこともアイマスのことも、明日には何とも思わなくなっているのかもしれないなんて戦々恐々としている。考えこそが人格を形作るものであらばこそだ。この点の一貫性がなくなってしまっては、ほんとうに、履歴しか持たないような人間になってしまう。そういう人間がすぐに捨てられることはないが、ただ彼が尊重されるのは、過去を共有したからというだけの理由によってだけだ。未来のことには何の期待も保証もなく、薄れるいっぽうの過去にすがって人の間に存在しようとし続けるのはみじめだ。美学や感性をしっかりと保ってぶれない人間を見ては、そうではない自分にため息をつき、かと言って何かできるわけではない。この手のものは訓練によって得られるようなものではない。トラウマでさえも俺は身につけていない。つづく。(ねるので)