そういえば、け.い.お.ん.!映画をみた。別に思い入れない、とか言ってたけど、結局泣きながら観たし、よかった。映画は特別編とかではなく、最終回だった。ただ卒業旅行に行くだけの話ではない。
少女たちは成長しない。ただ経験をする。スタンスを変えることなく彼女たちは三年間を駆けてゆき、その内面の変化というのは俺にはついに分からない。もちろんそれは咎められるようなことではなくて、あそこで描かれたのは高校時代のキラキラとした、いわば彼女たち自身があとになって思い出すような記憶の中の自分たち、いわば梓が憧れと愛をもって見た先輩たちの、醜いものを削ぎ落とした、陶器のように完璧な外面だった。だから彼女たちはずっとヒロインでいられ、世界は彼女たちのために回ったわけだけど、どういうわけか俺は彼女たちを愛でるものではなく、自分を投影すべきものという風にとらえたがっていたようで、そういうものではない!と、まあようよう悟ったところかな。清すぎるものは手に余ろう。