休日

金曜日、美術館に行きたいと思っていたので、朝起きてからまたグーグルマップでひとつを決める。天気が悪いので傘を持っていく。
なんとなくイメージしていたのは絵だったんだけど、写真家の展示が催されていた。人間の写真が何枚も飾られている。おれは写真を見ても、映画みたいだ、映画みたいで格好いいな、とか思うだけで、これを見て、いいとか、そういう評価を下せないなと思った。絵や彫刻や文章ならなんとなく分かる気がするのは、実体験や想像力で、制作している過程を思うことができるからだと思う。絵や文章はなんとなくおれの中で動的だけど、写真は静的だ。現実の一瞬をとらえるという行為がまさに一瞬のこととして感じられて、そこに至るまでの過程というのに思いを馳せることができない。おれはカメラを構えたことはあるが自ら働きかけるような態度で撮ったことがないからその考えに至らないのだろうと思う。そうしてみることで少しは分かるようになるだろうとは思う。何事もそうだったからだ。
喫茶店をひとつ開拓したあと、家で映画を流しながら趣味のコードを書く。感情のないときは制作に限る。映画は録画されてたやつで『ファム・ファタール』。あんま納得いかん。