繋がれた二人の男

二度目の襲撃では発掘調査中の遺跡で殺されそうになっていた(最初のについては忘れた)。命からがら逃れて、這ってやっと通れるほどの狭さの横穴を抜け、その出口を土で塞いでから、短い梯子を昇って地表の高さへと出た。見上げると夜空をバックに知った顔の男が佇んでいて、黙ったままいかにも黒幕然としてこちらを眺めているが、彼は無関係だと俺は知っている。言葉も交わさずに俺は住宅街を走り去り、大きな通りに出ると、車両進入防止ポールに二人の男が繋がれている。どうやら寝ている間に捕らえられたらしく、地面にべたりと座ったまま、大きい方の男は静かに目をつむり、そうでない方は嗄れた声で俺に尋ねている。これをやったやつは誰だ?俺は知らないと言ってまた走り去る。二人の姿が見えなくなってからも、声だけが遠くまで俺を追いかけてきた。