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前輪錠の鍵

どういう経緯かはわからないが同僚とともに落下していて眼下には大海原が広がっている。海面まではまだ距離があって墜落しきるにはまだ時間がかかるようで、気づいたら二人して道端に立っている。薄暗い夜で人気もない、以前住んでいた所の付近だった。今も落下が続いていることは分かっていて、落ちている俺たちが墜ちきる前に地上にいる俺たちが海に移動しておかなければ、墜落死してしまうことは明らかだった。慌てて地図の載っている掲示板を探し出して見てみると、少し離れたところに一マスだけの海がある。あの海まで急がなくてはならない。

何人かの仲間を背後につれてアメリカの都市の古いビル群の屋上を歩いているところを、屋上階の窓ガラス越しに若いギャングたちが眺めている。このあたりまで来るとすでに一度過去この経験をしたこと——あるいは夢を見たこと——は思い出していて、これからこの男たちに脅かされるのだろうことも知っている。海に向かわなくてはならないのでできるだけ面倒は避けたいと思い、あまり目立たないようにしろと言ってはいるが、結局ギャングたちの目に留まってしまい、馴々しいが隙のない態度で取り囲まれる。にやにや笑っているが平和的に立ち去ることができないのは分かっている……。建物の中に入ると結婚式の会場の扉のようなところで、そこに料理人が3メートルもある真っ青なイカを氷で冷やしながらワゴンに乗せてやってくる。巨大な包丁を携えているがこれで切るのではなく手にしたホースから出る水をかけると切れるようになっているらしい。これが仲間のひとりに手渡され、イカを切れというようなことを言われているがぐずぐずしていてなかなか切ろうとしない。時間がないので俺はイライラしている。

幼稚園を訪れたとき、建物の奥にある箱を開く必要があった。前回はこの中にある鍵を押さえられてしまって負けたからだった。手持ちの鍵は自転車の前輪錠のものしかなかったが、差し込んでみると意外なことに鍵を開けることができた。中には同じような鍵が2つ入っていて戸惑ったが、そのうちひとつを選んで持ち去った。それでどうやら悪党たちを出し抜くことができたようだった。