※ネタバレ

中二恋おそろしくよかった。俺はだいたいラノベ原作のアニメというのは軽んじるところがあるんだが(そしてそれで不都合も大してないのだが)これに関してはそうではなかった、以前にWikipediaでこの原作が二巻で終わっているということを知ったことは今はそう関係はないけれど好ましいと思ったことだ。こういう類のアニメに美少女が重ねて現れるのはよく見る話で、見るだけで辟易してしまう話だけれどこれは真摯な話だ、二人の男女が恋をするときそれそのことだけが物語で、あとの全ては全部フレーバーに陥る種類のことになる。全ての登場人物はそのたった二人のために舞台に現れ、行動し、役割を果たし、あとはBGMに消え、二人の世界、いつまでも二人の世界だけが残り続ける。パパさよなら、でさえも恋に飲み込まれていくような二人の世界。何よりよかったのはくみん先輩が堕ちたとき、彼女は本当に二人の物語に奉仕することを決めたのだということだ。互いがために過去も未来も肯定し、現実をも呑み込んでしまうそれが、たった二人の世界、たった十二話の世界だったのだ。