石川博品『メロディ・リリック・アイドル・マジック』

最近、ここ1年ほど仕事に関する本ばかり読みつづけていて殆ど精神世界を拡げてくれるような本への接触がないので恐ろしい状況だと思う。アンテナも低まっているので今年の最初の一冊に選んでもよかった本を見落としていて、後追いで買って、間隙を縫って読んだ。精神が摩耗しているのでそのリハビリテーションである。ほとんどは。前半あまりに手応えがないので心が硬直してしまっているなと思ったが読んでいくうちにだんだんとほぐされていくようでまだ大丈夫なようだった。

一瞬名前だけ登場するパヒュームを下敷きにしたアイドルグループのメンバーが「ぼっち・も〜ちゃん・バビルサ」でありバビルサ、バビルサってなんだよ! と滅茶苦茶笑った。バビルサに対応するのが誰かもわかってないのに笑った。かしゆか、であった。バビルサも何かわからなかったのでぐぐったけど動物の名であった。

髪は毎日伸びつづけ、同じ髪型を留めることはできない。

p. 255

みたいな文が突然挟まってくるのがよいところである。