ビジネス書っぽい構成でちょっと肩すかし。とはいえ良いことを言ってはいて、変革しようという強い気持ちがある一方でそれが行えていないのは、隠された「裏の目標」があってそれを達成しようとしている、というよりは支配されているかはである。これがアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態である、というふうに表現されている。 これを崩していくため、4つの空欄をつかって分析をしていく。つまり、
- 達成したい目標
- これは本当に達成したい、価値のある目標であるべきで、「one big thing」であることが望ましい。
- それを阻害する行動
- ここが単に行動であるというのが面白いね。工夫されたポイントだと思う。
- 裏の目標
- 阻害行動を取ることによって達成しようとしている隠された目標とはなにか? これをあぶり出すために、阻害行動の逆を行ったときに感じる不安を書き出してみるとよい。
- それを支える強力な固定観念
- 当人が知らずに当然としているような固定観念にその目標が支えられているはず。足を踏み入れれば危険だと感じるような領域である。
というような項目を埋めたら、阻害行動の逆を行ってみるなどの実験的なアクションを積み重ねることで固定観念を崩していく。認知と行動の両面の変化が重要で、一方だけでは完成しない。この試みは Safe Modest Actionable Researching Testable であるべき。
ざっと示したこの方法論は受け入れやすいと感じた。自分にもできそう。
本の最初に三段階の知性という話が出てきたが、これは根拠が薄いと思った。大人になっても進歩できるってことを言うのはよいけどね。周囲を見てみても、そこは特に心配してないのであった。
なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践
- 作者: ロバート・キーガン,リサ・ラスコウ・レイヒー,池村千秋
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2013/10/24
- メディア: 単行本
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