フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』

グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫)

グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫)

恋に破れた友人が別の友人に、これを読めと言われたのだといういわく付きのこの書だよ。

結局のとこ、立身出世、アメリカンドリームとその果てのことなのだと思うのだけど。ギャッツビーのグレートなるところはただ金を持って豪邸で毎夜パーティーを開いているということではなく、夢のために度力を惜しまず夢を失わずそれに向かって歩み続けたということなのだと思うよ。だからこれの映画が華麗なる、などと訳されているのは見当違いなのだろうと思った。夢は空虚で、それに死ねるのはまだ幸福なのだろうとも。さながらグレートと人の言う。