中坊公平『中坊公平・私の事件簿』

中坊公平・私の事件簿 (集英社新書)

中坊公平・私の事件簿 (集英社新書)

名前は小さいころから知っていたけど、実情はあまり知らんよなこの人のこと、と思って購入。森永ヒ素ミルク事件の弁護団長だったのかー。そもそもこの事件がすごい。こういう事件を起こした会社が、まだ存続しているというのは奇特なことで、怒りや恨みといった感情をぶつける先が残っているのはそれはそれでよいことなんじゃないか、とも思う。短絡的に、いなくなってしまえと思うよりも。泣いた、一方で、『苦海浄土』読みたくもなり、おれはエンターテイメントとして消費しようとしてんのかな。ともあれ、時代のいくつもの事件に関わってきた人だった。現場を重んじる想いは感じるが、正義というものが価値観の中心にあるとかというと、それが一番というわけでもなさそうに感じ、よく分からないところもある。読んでる途中で、住専の回収機構で何かやらかしたらしいことを読んで少し興ざめしてしまった。