やくざと旅館の女将が連合することになったので立ち会う。自分はカタギの企業に勤めてはいるがやくざサイドで、同僚の女性のひとりにコネがあるらしく、気安く挨拶されている。会場である旅館に行くと続き部屋の障子が開け放たれて広々として、向こう側に百人たらずの女将が正座して等間隔に並んでいる。女将たちは深々とお辞儀をしてよろしくお願いしますと言う。こちらはその身を立てる際、人に頭を下げてはいけないという誓いがあるので、代わりに背中に彫った刺青を相手に見せてやるのが習わしである。しかし第三者に見られてはいけないということで、会場の窓から視線が入り込まないよう、モクモクと湯気をたいて目隠しをする話になったのだけど、なかなかうまいことを湯気が窓の前に立ち上がってくれない。一旦中断して昼休みとなった。おれはコンビニで牛乳と何かの少し立派な食事を買い、食べた。結局その会はそのままお流れになってしまって、後からこの話を本で読むと女将の代表がまあこうなると思った、前もそうだったから、と言った伝が三ページ目あたりに書いてある。詳細は本の最後のほうにあるのだが、そこまで読み進めてないのでわからない。