マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』

蜘蛛女のキス (集英社文庫)

蜘蛛女のキス (集英社文庫)

おもしろかった。会話からはじまり終わりまでずっと会話で、不思議な小説。映画化・舞台化されているのだと、読み終わってからしか気づかない。途中でゴシック体の文章も(突然)挟まるのだけど、これは結局なんだったんだろう? 解説でも触れられず、たぶんヴァレンティンの心情なのだろうけど、互いのセリフの中に食い込んでいるのが異常というか特徴的で、こういうのが好き。ヴァレンティンの最後のシーンも何なのかよくわかってない。映像を観てみたいところだ。