はっきりと悪夢。あまり思いだしたくはないが……。自分も周囲の人間も頭身が低くぷにっとした感じの漫画的な世界に、拷問者が現れて、多くの仲間がすでに惨殺され、残るはおれを含め三人というところで仲間の一人が選ばれて、手足を縛られ、拷問者は凶悪そうな鋸を手にしている。吊るされた仲間はSMにおけるSプレイヤーで[と言っていたがMの間違いではないか]、じゃあほんとうの苦痛を与えてやろう、と言わんばかりに、身体に線を引かれ、解体を予告されている。見てられない、と思って別の部屋に言って、犠牲者である彼女のために水を買ってきてやる。目をつけられたくもないので、拷問者の許可をとってから彼女に渡してやる。いまや彼女は気がふれたのかむしろ喜ばしげで、見て! ぼくの肌が白くなっている! などと言っている。日焼けした体の皮を薄く剥がれ、大部分が白くなっているのだ。これからより残酷なことが待っているのは予想できる。書いていてなんのビジュアルの世界なのか思いだしたが、メイドインアビスだろう。

自分たちは無事逃げ出すことができて、無機質な建物の中の、だだっ広い空間にぽつんと立つバーで外国人の店員から酒を買う。英語でお前は何人だ、と聞かれるので日本人だと答えると別の店員と英語ではない言葉で談笑しだした。帰り(というものがあるなら)は電車に乗った。満員で、ドアの近くで隣に立った男性が優しく、むごたらしいシーンで疲れた自分たちを少しだけ癒やしてくれた。のだが、終点に着くと駅のホームが目よりも高い位置にあり、そのうえぐずくずになっていて、降りるのに難儀した結果体調を崩して嘔吐し(この世界の吐瀉物は真っ白だった。たぶんバリウム)、網棚に横になっていた。やがてそこから落ちて、死ぬのだろうと予想できた。

逆向きの電車に乗ると、並走する貨物列車の最後尾に幼児が掴まっていて、乗ったり降りたりをくり返すので危なっかしてくて、自分たちも途中の駅で飛び降りる。走る電車の空いたドアから毛布が飛びだして絡めとられそうで、危なかった。駅には直径30cmほどの深い穴が空いていて、作業している二人の男性の言うことでは、そこに横たわる死体を片づけているのだという。この死体のまわりにも白い吐瀉物が広がっていて、それをかき集めて穴に流したあと、死体を縦にして穴に落とすのだ。作業員が、積み上げられたコンテナの上にいた好きな人に声をかけると、あっ、と言う間もなく彼女は足を滑らせ、コンテナから落ちて頭を打って死んでしまった。