寝不足で目を覚ますと朝のあいだ動悸がして不快に思っていたけれど、7時間近く寝てもこうなのでこれはただ勤務したくないだけではないか? と訝しむ。冒険がしたい気分でもなかったから、今年初のランチはいつもの蕎麦屋だった。一人で来店すると、席に座るときに必ず何かしらの新聞を置いてくれるのだけど、読んだことはない。据え付けられたテレビではいつもワイドショーをやっている。そこで蕎麦を食いながら本を読んだり、ノートに何か書きつけたりするのが気晴らしになっている。そのような退避場所としてうまいコーヒー屋があったんだけど、畳んでしまった。ここの蕎麦がとても美味いというわけでもないので、また代替を求めてぶらついてみてもいいのかもしれない。ただ店の雰囲気は落ち着く。厨房は見えないが給仕はおばさん……女性ばかりの店で、家族でやっているみたい。ときどき子供がテーブルで本を読んでいたり、店の人もまかないを食べていたりして、混んでもいないし、気楽ではある。居座れるのは重要。