季語集 (岩波新書)

季語集 (岩波新書)

いまが秋なので秋しか読んでない。きっと短いエッセーの塊で、読んでもあまり実入りはないだろうな、などと失礼なことに(!)想像していたけど、面白い。気楽に読める。序文に子供や若者は季節と一体化しているから季節感など持たなくてもよいのであって、依るところのなくなった中年が俳句に傾倒しだすのだとある。そんなこと言われると悲しい気もするが、合点はいく。

イメージを読む (ちくま学芸文庫)

イメージを読む (ちくま学芸文庫)

文章がよい。「少なくともある時期までは画家は思想を伝えるために描いていた」それ自体がおれにとっての発見だ。『お姫様とジェンダー』の人なのね。本棚にあることはわかっていて読んでいないのだけど。

たとえそこに描かれた思想や信仰が今は滅びてしまい、意味を失ってしまっているとしても、絵は残ります。絵の生命は死ぬことは なく、古びることもなく、それを人が見て美しいと思うかぎりつねに現在です。それこそが芸術のほんとうの力なのです。