大量の衣料什器が目の前に並び、女たちがテンポよくそれらを一斉にこちらへと送りだしてくる。それぞれの衣服には90%オフなどと大きい割引の札が掲げられていて、つまりはストリーミングアルゴリズム。見送った服は二度と手には入らないなか、お得な買い物をしなくてはいけない。体育館の奥には少し開けた空間があって、おれら客が整列して座っている。平均台で区切られた向こうはマットを敷かれた舞台のようになっていて、前口上を聞いている限りではそこに女たちが現れて観客の指定のポーズを取ってくれるらしい……。そこでおれの理性はまだ保たれていて、性欲にまかせた行動を取りはしないのだけど、そもそもその場所にいること自体まちがいだったらしく、おれのいた場所には別の同僚が取って代わった。

その後、歯医者。なのだけど、西洋人スパイの男と隣り合わせで壁を背に座って、これまた西洋人の老婆に銃で狙われている。撃たれるのは隣の男だと状況的にみな分かっているはずなのに、なかなか銃が当たらない。老婆が何を考えているのかも遠すぎて読めない。ただ暗い部屋にその顔が赤白く発光して、異様なモードであることだけはわかる。銃が男の顎を貫通したが死には至らず、結局おれが手許にあった銃を拾って至近距離で何度か撃った。当たって死んだかどうかについては確信がない。その銃を、よせばいいのに指紋も拭き取らずに置き去ってしまった。