いつもの土日の俺たちと言えば、前日の夜からの話になるけど、飯を食い終ってダラダラしているといつのまにか2時とか3時で、そろそろ眠たいという彼女をなんとか口説いてやる気にさせて、シャワーを浴びて、セックスして、ふたり寝転んでナマコみたいだねなんて言いながら疲れ切って寝るのが陽も上ろうという頃になっている。正午ごろになると彼女が目を覚まして新聞を取ってくるのだけど、取ったらまた布団に戻ってきてしまう。それから2時くらいに俺が目を覚ましてゲームでもやろうかと思うが、寝惚けた彼女が体を掴んでくるのを引き離す気にもなれずまた寝てしまう。つまり、ふたりの起床時間が噛み合っていない。それでも日没前には彼女が起きて、昼食とも夕食ともつかないものを作って、「ほら食べて」と俺を起こす。寝惚けた頭で俺はもそもそとそれを食べるけど、大体その頃には彼女の機嫌はすこぶる悪くなっている、というのも今日もまたふたりは一日を無駄に過ごしたからだ。それもこれも俺の所為だと彼女は信じて疑わない。
そんな土日にもいいかげん慣れているのだけど、今日は彼女がどうもいつも以上にイライラしている気がする。それとなく探りを入れてみると、どうやら、この間のホワイトデーに何もしなかったのがマズかったらしい。確かバレンタインデーにはチョコかクッキーか、それともアップルパイを貰ったのだったか…と思い出そうとしているのを見てますます機嫌を悪くした彼女が、
「私には何も呉れないくせに、会社の女の子たちにはちゃんとお返しとかするんでしょ」
と言うので、
「そりゃあ義理チョコには義理で応えないとねえ。俺は義理堅いことで有名だから」
などと半ば冗談で答えたら、案の定、怒ってしまった。流石に俺も自分が悪いことを知っているので、それにふたりでデートすることなんてずっとなかったし、皿を洗う彼女を横目にPCを開いて(これも結構勇気がいった)、この時間からでも行ける京都のスポットを必死に探したら、ありましたよ。これ。
京都・花灯路
なんかちょうど今神社とか寺とかライトアップしてて夜でも開いてるんだってね。なんとか宥めすかして、ふたりして清水寺とかその辺に行ってきた。
サーチライトがビーっと夜空を横切っていて、とても不思議な光景だった。あちこちの神社や木々が綺麗にライトアップされているのを見て、帰るころには彼女の機嫌も直っていて、夜店で腹も膨れたし、それなりに充実した日曜だった。
次は朝からどこかに行こうね。
