窓の外・響の誕生日

恋人である響の誕生日を祝う、薄暗い殺風景なビルの一画。5階くらいだと思ってたけど、たぶんもっと高いところだった。(なぜか響の体には手を触れようという気にならないな、真のときはそうでなかったのに)なんて思いながら、俺はバースデーソングを彼女のために歌ってやっている。背後から騒がしい声が聞こえてくるので振り向くと、窓の外に男が5人ほど並んで座っている。彼らはこちらを気にしていないようだったけど、歌を聞かれたかと思うと俺は恥ずかしかった。外は明るくて、町が見下ろせた。