夜中に少女とすれ違ったとき、まさに今が夏休みなのだと思えた。夜中とは言っても祭りの夜だったから、夜中に出歩いていても不良少女ではない。ましてや少女は母親と同行していた。少女は母親と同じくらいの背丈だったことで、また少女らしさを増していた。顔は全く覚えていないから、みなさんご存知のあの写真の、少女だったということにしよう。すれ違いは一瞬だった。少女はショルダーバッグをかけていたから、Tシャツが肩紐におさえられ、すれ違うおれの眼に少女のふくらみをあらわにした。すれ違いざまおれはそれを見た。そのとき、"双丘"とはこのことを言うのであって、これ以外の場合に使ってはならない言葉だと知ったのだった!!!。そしておれに一生知ることができないのは、少女の胸がふくらむスピードだった。そういうことも知った。