さやかが生き返った

さやかが生き返った!「心配かけたね」とはにかんだように微笑むさやかを見て、安堵するまどか。さやかの話では、あの赤毛の女の子とはもう仲直りしたのだという。その子は別の街に新たな縄張りを求めて去ったと聞いて、まどかは「挨拶くらいできたらよかったね」と残念そうに言ったものの、そもそも彼女についてはさやかを脅かす存在であるという以上には知らないので、挨拶などされる義理もなかったなと内心思っている。元々まどかは蚊帳の外なのだった。ほむらは依然としてキュゥべえと小競り合いを続けているが、彼女の不断の努力によりキュゥべえにはまどかに話しかけるチャンスすらなく、今となっては当時のことは夢のようで、まどかの平穏な日々が続いてゆく。深い傷跡は残ったものの、今度こそ全てが元に戻ると信じられる気がする。
さやかは少し変わった。さやかは魔女退治にまどかを連れてはくれなくなった。生身の人間がいるような所ではないからだという。まどかは心配するようなことを口では言ったが、あんな恐しい場所に二度といられるとは思えないので、無事を祈るいっぽうでホッとする気持ちもあった。それから、さやかは上條君に興味を持たなくなった。
そんなある日まどかは偶然目にしてしまったのだ。さやかのソウルジェムが赤く光っているのを。彼女のソウルジェムは青いそれではなかったか?魔法少女に身体などないのなら、どうして肉体的なことで彼我の区別をつけられるのだろうか?彼女がここのところよく林檎を齧っているのは何故か?