TTY

TTY=(ついに津波の夢をみた)。

おれの町の名物は二重に用意された五階建てほどの高さの堤防で、そのエキゾチックさは旅する物語の主人公が訪れる奇妙な町々のそれを想像してもらえばよい。二つの堤防の間にあったおれの家は外側の堤防もろとも既に破壊され、町の内側から眺めると地平線まで瓦礫が続いている。海は見えない。残った堤防が閉まる(何故か開閉式だ、意味ないだろ!)よりも先に、次の津波がやってきた。見渡す限り平地の町をとにかく堤防から逃げるように走ると、向かいのTSUTAYAから水が溢れ出すので、十字路を左に曲がって田んぼの中に逃げ込んだ。知り合い二人は用水路を泳いで逃げている。

起きてからこれは暗示だなと思った。二つの堤防は俺の二つの目覚まし、津波は眠気。そして少しだけ寝坊しました。