橙の街

ごちゃごちゃした街の、風俗店に行こうと思ってエレベーターに乗ったが間違ってひとつ上の階で降りてしまい、階段を使うしかないのだけど、その道がわからなくて見渡すと建物の中は黒々としているいっぽう外の景色は、中庭は緑に、街は橙に輝いている。四角形に整理されたこの街の四辺が囲む大聖堂の前で待ち合わせし、それから友人のマンションで過ごす。彼の母親が訪ねてきて、連れられて家を出る。おれに恋はできなくても不倫ならできるかもしれないと思う。
海を泳いで潜水艦に乗り込まなければならず、それが巨大な魚雷(『マリオ』の、キラーのようなやつ)をいくつも発射するのを何度も避けながら、やっと取りつくことができるかというとき、一体どうすれば内部に入れるのか不思議になり、考えている間に逃げられた。その後も泳ぎつづけていると新たな影に出会したが潜水艦ではなく、よく見ると機械のようなものを背負ったジュゴンだった。そいつが「話を聞いてほしい」とか言いながら体当たりしてくるのでこれはかなわんと思ってばかでかいハンマーで殴りながら逃げた。そうやって殴り続けたせいか、陸に上がったころには人間の大人ほどの大きさだったジュゴンも煮干しのようなサイズになって床に横たわっている。というか煮干しにしか見えない。それでも話を聞いてくれ、と息も絶え絶えに言うので、もしかしたら本当は話を聞いてやるべきだったのかも、との思いが一瞬頭をよぎるが、今さら聞いてもたぶんどうしようもないし後悔するだろうと思って半殺しのままその場を去った。