昼ごろ目を覚ましたので起床後すぐにグーグルマップを開き、行く場所を決めてそのまま勢いでゴー!てな感じに電車に乗った。なぜなら昨日そう決めていたからだ。電車で田舎を行くのは好きだ。畑と土手と民家が流れ去るのを見て、日本のどこにでもある風景だなあと思い、それが好ましい。この季節だとたまに柿の木が立っていて実らせているので、電車から見ると橙の玉が浮いているみたいできれいだ。紅葉の中に佇む料金所とか、作りかけの高速道路のコンクリートの巨大な柱とかもいい。川の流れる方向が変わったので山を越えたことがわかる。単線の電車が行き違うときエンジンを止めるとひたと静かになった。
別にそこには何も期待していなかったけど着いた所はこれまたどこにでもあるような田舎町で、歩いていても何も楽しいものなんか見つかりゃしない。人影もまばらで、若い人は少なそうだった。海を見にいって、うおー波が!寒い!帰る!って感じにしたかったんだが海すらどうしようもなく凪いでたね。(たぶん湾だったんだろう。)しかし埋め立て地ではなく山側の民家のある方を歩くとやはり古いのか、神社とか寺とかあって、なかなか楽しかった。寺の裏手には墓がおびただしく並んでいて、すこし見て回った。「墓参り、いつかしたいなあ」「じゃあ今すればいいじゃん」という運びである。ちなみに自問自答ね。
帰るころには真っ暗で外を見ても何も目に入らない。プリッツを齧りながら、本をたらたらと読んだ。