- 作者: スティーヴエリクソン,Steve Erickson,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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Journey じゃなくtours。冒頭は白い髪の青年にまつわる話で、そこは退屈で読みさしにしていたのだけど、彼とその母親の前に見知らぬ男の死体が横たわり、その大男の独白がはじまると俄然面白くなる。というのは物語めいてくるからなのだけど。読み解くのは難しくて、ヒトラーが支配を拡げる幻想の二十世紀と、現実の二十世紀とが、その大男の描く小説を仲立ちにして絡みあっている。それにしてもみんなヒトラーのことが好きなのは、現実にいた人間で、留保なく邪悪として前提することができるからなんだろうな。