底のメッセージ

逆さに見れば宇宙と

ゴムボート

戦争

ビーチ

転がる爆弾

バレーボール

手でOKの合図

ゆるやかな弾道

取りそこね

海をゴムボートで、沖をずっと行ったところに壁があって、そこで海は終わっている。その行きどまりの底のところに、いまはもういない少女からのメッセージがある。おれはそれを懐かしんでいる。帰ろうってときになって同行者が、海の中で逆さになれば、底が宇宙に、空が地面になるのだと教えてくれるが、おれはもう潜水器をつけていないし、今度そうするよと言って去る。また来ることはないだろうと思っている。

次のシーンではその少女は生きていて、ただし姿を現さない。砂浜でふたつの勢力が対峙している。戦争である。めいめい武器や装置で互いを脅かしている。隣に強そうな男がいて、おれを含め周囲に合図を送り場をコントロールしてるのだが、そいつが手でOKのサインをすると、放物線を描いて敵方から手榴弾が飛んでくる。その弾道は低く、おれは捕りきれない。爆弾はおれの後ろに転がって、そのまま爆発した。