ああああたまがいたくて今年をふりかえるどころではない。

今年も本に金を使わなかった。武器としての交渉思考、あせとせっけん、 モブ子の恋、Chaos; head、ワールドトリガー、魔都精兵のスレイブ、フロリダプロジェクト。こんなところか? よかったasinのエントリがなかったらとりあえずこれで代用してほしい。まんがばっかだな。知の貧困。

★★★★。おれが経済学から得たメンタルモデルというのも、こういうフィードバックやレバレッジというシステム思考の欠片であったのだな、と名前をもらう。ワインバーグの一般システム思考の本も読みさしだったのを掘り返してもいいかもしれない。ワインバーグのほうは意思決定入門で紹介されてたのだったかなあ。この本に戻ると、ノーマティブというか、システム思考はよいのだけどそれを使った主張が現代の開発志向に異を唱えるという感じでそこは不要だろうと普通に思った。

賢い犬リリエンタール  1 (ジャンプコミックス)

賢い犬リリエンタール 1 (ジャンプコミックス)

★★★★。何が賢い犬だよ、とハナから読む気はなかったタイトルだったけどワールドトリガー作者のやつだと知って、WT新刊が待ちきれない間に読んだ。4巻で終わりなのが惜しいなー。もっと時間があればもっと掘下げたエピソードを見られたのだろう。「運転手さんもいるよ!」(だっけ)でおれは泣いた。最後の方の話でも泣いた。この人の作品はどの人物も憎めない造形をしていて、誰のどの行動も責められないってことがおれを赦してくれるのだろう。今井哲也ツナミノユウとも同じ印象をうける。

なにかの大規模なイベント(YAPCではないかと思う、RubyKaigiかも)にゾロゾロと参加していて、閉場となった夜の帰り道で、ほとんど喋ったこともない高校のときの同級生に出会う。ちょっとワルそうな感じのやつで、帰宅部なのだが、ある時期から突然野球などはじめていた。橋を歩きながら、そいつに横から話しかけられているのだけれど、内容は不明。その後知らない家に転がりこみ、さっきの同級生の姉か妹か従姉妹かと寝る。ぐったりしていると隣のシャワー室に夜勤明けの男たちがどやどやと入ってきて、湯上がりの格好でよういらっしゃった、おくつろぎを、みたいな風に歓迎される。どうやらこの女の兄役のようである。

大きな建物に泊まっている。エレベーターで任意の階に停まれるし、無重力らしく、好きなところまで泳いでいけるので、全裸になって自室を出、あちこち彷徨っていたが、部屋に戻る方法がわからなくなり、やがてスタッフに見つかって、地下まで連行される。その間もスタッフは必死に慰めの言葉をかけておれをなだめようとしていた。今思うと犯罪者だとでも思われていたのかもしれない。

前の昼に見た夢。結婚式に向かう電車かバスかの中で、部下が花瓶の水をコップに入れ換えたのだが、降りる段になって隣の老婦人の服を濡らしてしまっていたことが発覚する。老女はあえてこちらに言うこともせずあらぬれちゃった、いやだわこれから結婚式なのに、と連れにこぼしているふうで、こいつは厄介そうなので早めにカタをつけよう、とすぐさま弁償します、終点の伊勢丹で何か買いましょう、といったのだが、気づいたら終点を過ぎた下町にまで来てしまっていて、三日月状の湾の、浅瀬の弧を急いで戻っている。

昨日のピタゴラスイッチシクラメンの花がなぜ下を向くのか、という話だった。長い年月と試行による戦略の結果が、まるで意図を持っているように見えるのは面白いなー。進化がそうなのだけど、あと光が最短経路を選んで通るように見えることとか。

魔道師の月 (創元推理文庫)

魔道師の月 (創元推理文庫)

★★★。読んだー! このクオリティの日本語ファンタジーがリアルタイムにあるのは、よいことだなあ。キアルスについて初登場時からえらく細かいかつ不明瞭な背景が書かれてるなと思ったらやっぱり前作登場のキャラクターだった。だいぶ前だったから完全に忘れている。次も忘れていないようにいまメモっておきたい。レイサンダーとキアルスは直感と論理の対だったのかい? と最後の描写をみて思ったことだよ。二人が出会って、暗樹を一旦しりぞけてそれで終わりかと思いきや、その後帝王の話が続いたのでテンションの維持が難しかった。 前作との比較でいうと、時代を大きく前後する流れであるのは同じである。楽しいね。魔法による戦闘描写が鮮やかなのが前作のよさだったと記憶してるけど、それは今回あまりなかったな。あと固有名詞のセンスがあわないのは同じく。