生活の動作がある場所を思い起こさせることがある。それは常に起こることでもなく、また起きてからああ、そういえばこんな想起があるのだった、というふうに思い出すものなので、なかなか日記にも書けずにいたけれど、いまは珍しくその関連のほうを思いだしたので書く。ひとつは頭を洗っているときに、沖縄のことを思い出す。台風の接近によって帰りの便が欠航になったとき、慌てて取ったホテルの風呂が屋上にあって、風が強まっていくなかその露天風呂に漬かっていたが、ロープが鉄筋に当たって鳴らすキンキンという高い音が聞こえていた。