ちょっとしたことにも落ちこんでいかないと。おれはやってはいけまいよ。
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朝から面倒なメールが届いていてぼんやりと憂鬱な月曜日の朝であ る。週末は楽しく過ごしたが精神的な暮らしではなかった。しかし胸を張っておれがMVPであると言いたいもんだな。最近はその自信過剰さもうしなっている模様で。
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この時間は村落もすこしきれい。
石川博品『メロディ・リリック・アイドル・マジック』
メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫)
- 作者: 石川博品,POO
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/07/22
- メディア: 文庫
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最近、ここ1年ほど仕事に関する本ばかり読みつづけていて殆ど精神世界を拡げてくれるような本への接触がないので恐ろしい状況だと思う。アンテナも低まっているので今年の最初の一冊に選んでもよかった本を見落としていて、後追いで買って、間隙を縫って読んだ。精神が摩耗しているのでそのリハビリテーションである。ほとんどは。前半あまりに手応えがないので心が硬直してしまっているなと思ったが読んでいくうちにだんだんとほぐされていくようでまだ大丈夫なようだった。
一瞬名前だけ登場するパヒュームを下敷きにしたアイドルグループのメンバーが「ぼっち・も〜ちゃん・バビルサ」でありバビルサ、バビルサってなんだよ! と滅茶苦茶笑った。バビルサに対応するのが誰かもわかってないのに笑った。かしゆか、であった。バビルサも何かわからなかったのでぐぐったけど動物の名であった。
髪は毎日伸びつづけ、同じ髪型を留めることはできない。
p. 255
みたいな文が突然挟まってくるのがよいところである。
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見た目は違和感のない普通の現実だが明らかにネクロダンサーの影響を受けて、人々の立ち位置はグリッド上であるし地面はドット絵の草地のようだった。世界には鬼がいて、人々はそれにひどくではないのだけれど慢性的に悩まされている。子供を生贄に捧げることで鬼をすっかり消し去ることができるらしいのだが……。子供を連れて、その儀式を行う最終目的地めざして城に侵入する。広間から細い廊下に出るところで歩哨を見つけ、こっそりと殺すことができたが、西洋甲冑の陰に隠れた監視カメラに気づいておらず、侵入が露見してしまった。結局最後にはたどり着き、連れていた子供を袋に入れて取り出すとその人生は一度リセットされて、あとは殺すだけだったがそんなことができるわけもなかった。誰もそのことに異議を唱えず、世界は多少の不便益を受け入れる代わりに人間ひとりの命を救った。クローンなんてのはこの人間は失敗だったから作り直そうというような精神にたやすく誘導してしまうので非倫理的なのだなと思った。
施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』
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3巻の表紙だけ見て、コタツから動きたくない自堕落OLが1Kの自宅から世界を語るって話だとばかり思っていたので、ふと検索したときにアニメ版(があるのも知らなかったが)の宣材で制服を着てるのをみて吃驚してしまった。正しくは知的な本読みだと思われたい女生徒がいかに労少なくその目的を達成するか、策をめぐらし、周囲の本読みがツッコミを入れる、という話だった。
そんなわけでヒロインは堕落しているのだけど、知的に思われたい、通ぶりたい(から本を読む)、というのは少なくともおれにとってひじょうに突かれると痛い話で、そのぶん親近感が持てる。途中から少しは本を読むようになり、読書漫画になっていくのだけど、本の紹介はわりと作者の個人的な感じが出ていて面白いなー。『草子ブックガイド』の丁寧さや重さ(これは絵柄か?)と違うし、読んでて明るく楽しい。
サブキャラのひとりは流行本をあとから古本で買うのが好きとか、SF好きの女の子はよく顔を赤らめてるとか、そゆところもよく、3巻一気に読んでしまった。安心して読めるんだけど、3巻の最後が『熊嵐』で、寝る前に読むのには無用に怖かった。