施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』

3巻の表紙だけ見て、コタツから動きたくない自堕落OLが1Kの自宅から世界を語るって話だとばかり思っていたので、ふと検索したときにアニメ版(があるのも知らなかったが)の宣材で制服を着てるのをみて吃驚してしまった。正しくは知的な本読みだと思われたい女生徒がいかに労少なくその目的を達成するか、策をめぐらし、周囲の本読みがツッコミを入れる、という話だった。

そんなわけでヒロインは堕落しているのだけど、知的に思われたい、通ぶりたい(から本を読む)、というのは少なくともおれにとってひじょうに突かれると痛い話で、そのぶん親近感が持てる。途中から少しは本を読むようになり、読書漫画になっていくのだけど、本の紹介はわりと作者の個人的な感じが出ていて面白いなー。『草子ブックガイド』の丁寧さや重さ(これは絵柄か?)と違うし、読んでて明るく楽しい。

サブキャラのひとりは流行本をあとから古本で買うのが好きとか、SF好きの女の子はよく顔を赤らめてるとか、そゆところもよく、3巻一気に読んでしまった。安心して読めるんだけど、3巻の最後が『熊嵐』で、寝る前に読むのには無用に怖かった。