少年の一家

高校生。体育祭が終わって、クラスメイトと一緒に家まで走って帰るところ。途中、後ろから走ってきた少年が、追い越しざまにそのクラスメイトの胸を叩いて走り去っていった。逃げるその少年を、無言で追いかけはじめる。野を越え岩を越え、辿り着いたのはその少年の一家で、彼と、兄と、妹と、母親と、祖父がいるようだった。少年はクラスメイトの弟分だったようで、院試で4問しか解けなくて悩んでいると言っていた。それで、俺は2問半しか解けなかったけど問題なかったよ、と慰めてやったりしていると、少年の祖父が味噌汁のようなものをこちらに差し出してなにやらもぐもぐ言っている。どうやら食事の時間で、俺も同席していいようだ。少年の兄の左隣に座った。兄も自分の友人で、話していたんだけど、話題がないので向こうが部活の話を振ってきた。せっかく振ってくれたので、(別に興味ないんだろうなぁ)と思いながら部活の話を延々としつづけた。