百貨店の駐輪場は、店内で1000円分の買い物をしていれば無料で利用できた。ちょうどその辺りに用事があったので、僕はそこに自転車をおいた。あとで服でも買えばいいだろう。服(笑)そもそも用事とは(笑)
用事が済んだので紳士服フロアを回遊した。爺さんたちを相手にする店員の顔がここはお前らがいる場所じゃないだろ、と笑いながら告げていて、やっぱりコワイ!と思い、どの店にも属さない公海だけを踏んで歩いた。ここなら誰にも手出しができなかった。フロアの端に突然バイオショックのような空間があって、その悪趣味なレストランで食事をとる客がこちらを見つめていた。そこで冒険をやめた。そういうわけで予定通り服は買えなかったけど、百貨店に本屋があったのはラッキーだった。どうせいつか買うことになる本を買えばよかった。『これから(の)「正義」の話をしよう』という本はよく名前を目にしていたけど……ソフトバンクの孫さんの話だと本気で思っていたので、著者が外人名だったのに驚いた。これを買った。